シンプルな花と暮らし vol.49 貝母の仲間たち

本日はややマニアックな話題です。
私の好きな『俯き加減で恥ずかしがり屋さんの球根植物』、『バイモ属』を紹介します。
今年は、土がついていない球根付きのお花、色々な種類が出ています。手軽に室内でも楽しめてとてもいいですね。以前は、作品製作で球根付きで必要な場合は、土で育ったポット苗から、土を払い落とし、洗って、という、とても手間のかかることをしていました。
まずは、フリチラリア・メレアグリスです。別名『小判百合』。バイモ属です。
こちらは、球根付きのものを苔で包んで植えました。

一緒に植えたクロッカスは3日で枯れてしまいましたが、フリチラリアは1週間位楽しめました。クロッカスが思いの外早くだめになったので、苔から出して、最後はグラスに。
枯れゆく姿もなんと美しいことか。

続いて、貝母百合。別名『編笠百合』。
お寺の庭などで割とよく見かけます。本格的に咲くのは3月中旬以降ですね。
この網目といい、クルンクルンとした蔓といい、もうたまりません。
ただ貝母さんも下向きに咲くので、花の中をお見せするのが難しい。

そして、黒百合。黒百合もバイモ属です。こちらは4月初め頃です。
切り花で購入し、山吹と一緒にいけました。
黒百合かっこいいです。しかし、やや困った特有の香りがします(笑)。

バイモ属の花は山野草で、同じ球根植物のチューリップや水仙とはまた違う、華やかさはないけれど、風情のある球根植物。
小さいけど、精巧にできていて、じっと見ていて見飽きません。
晩年はこんな味わいのある人間になりたいな、と思わせる植物です。
さて、自粛生活が続くと外出する機会が減りますので、季節を肌で感じることが減りますね。なんとなく『動物的感覚』、『生きている感じ』がなくなるので、今日は、季節を確かめに鎌倉を散歩してきました。河津桜がほころび初めていましたよ。
あと約1ヶ月もすれば、ソメイヨシノも開花です。
春は必ずやってきます。
それまで、皆様どうかお身体健やかにお過ごしくださいませ。