シンプルな花暮らし vol.16 野趣ある夏の百合

6月から7月は百合の季節ですね。
現在切り花では改良品種が沢山ありますが、本日は野趣溢れる日本固有種や原種に近い百合からご紹介したいと思います。
まずは『鬼百合』(2017年長谷寺撮影)
このような絵のような姿を見ますと、切り取ってわざわざ生花にすることもないか、と自分の職業の必要性について考えてしまうことがありますね(笑)。

こちらは、福島県の山で育てられています、月田農園さんの『乙女百合』。
種から育てて、花が咲くまで5年かかるそう。『姫小百合』ですがが、俯く姿が乙女のようだから『乙女百合』と呼んでらっしゃるのだそうです。
小さいけれど、香りも微かにあって、ロマンティックで。
少女から大人への一瞬の美しさそのもの。
毎年、一瞬しか出ない希少さというのも、この花のあり方そのものですね。
私は、この時期毎年待ちわびている花です。

こちらは『姫百合』です。お花が小さいので、季節の草花との相性がいいです。
小さいけど花粉を精一杯出します(笑)。そこにまた生命力を感じますね。

こちらは、『竹島百合』。こちらは、姫百合に似た感じですが、やや茎がしっかりしています。夏枯れのイメージでモダンに線を生かして活けました。

こちらは、『高砂百合』。庭から摘んで活けました。
種で増える繁殖力のある百合なので、6月初めから庭のあちこちでニョキニョキと伸びてきます。大きさも不揃で、切り花で販売されている鉄砲百合と違い、野趣あって好きです。
季節も忘れられた真冬に寂しく開花してしまうものがあったり。
秋には種をつけながら立ち枯れた姿も好きです。こちらは秋に遅れて咲いたものと種を秋草といけました。

昨日ようやく鎌倉へ行くことができました。
紫陽花も今や見頃ですが、ヤマユリも咲いていましたよ(こちらは2015年撮影)

日本の百合は江戸時代に海外に渡り、品種改良されたようです。スカシユリやオリエンタルリリーなどは、逆輸入バージョン。
百合は現代の暮らしに合うように品種改良され、年々新しい品種を見かけます。
次回は、改良新種中心に紹介しますね。
さて、世の中的に規制は解除されたものの、気持ちの規制がなかなか解除されず、鎌倉へ花を見に行くのもようやく昨日となってしまいました。
お寺の境内には蓮の鉢も並べられ、気がつけばこの門塗り替えたなあ、とか新しいお店できている!と発見だらけ。
でもこうして、毎年同じように季節の花を見ることができることこそ、有難いことはないとしみじみ思うのです。
引き続き、気が抜けない毎日が続きますが、どうか皆様健やかにお過ごしくださいませ。